ミステリの何が悲しいかというと、オチが読めてしまうこと。実力はある作家さんだと思ったので、ちょっと残念です。ミステリ分が薄いほうが良い作品になったと思います。
個人的には「このミステリが凄い!」大賞は当たり外れが大きい印象なので、ハードカバーでの購入はなかなかためらわれてしまいます。今回は帯の推薦文が横山秀夫さんだったのでチャレンジしてみました。
中学生時代、「ペリー・メイスン」シリーズが大好きでした。NHKのドラマじゃないですよ。あれは爺さんになってからの話しだったのでみてません。原作のメイスンは若くて格好良くて、デラ・ストリートはクールな美人秘書なのです(ちょっと記憶曖昧)。法廷での大逆転には毎回とても興奮しました。
本作も法廷での逆転もので、話のつくりとしては大好物なのですが、いかんせんネタがすっかり予想通りでした。ただ、結構な大技なので、気づかずに読めれば随分評価が変わりそうな気がします。紙一重だったのかもしれません。
法廷シーンはかなり引き込まれたのですが、私としては法廷外での主人公の活躍をもっと見たかったです。地道な聞き込みの様子が見たかった。検察側も同様で、裏付け捜査の部分が全く描かれていないので、「優秀」と形容されていても全然そう見えません。オッサン主人公も美人助手も美人検事もせっかくいい味出しているので、もったいないなと思いました。
クライマックスシーンなどはなかなか読ませますし、筆力自体はありそうな作家さんなので、トリックに頼り過ぎない作品を次回は期待したいですね。同じキャラの続編が読みたいです。でも、ハードカバーは勘弁してほしい・・・
評価:★☆☆☆☆
2010年5月15日土曜日
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