平成19年施行の金融商品取引法により、金融庁の権限が大幅に強化されました。それに伴い、監査法人及び企業の監査役は、不正発見の際により厳格な対処をしなければならなくなります。今までややもすれば形骸化気味だったところが、
監査法人としてみれば、法律や政令に従うより他にやりようが無いのだ。(P162)
というような状態に。
今作では3人の主要人物が登場します。一人は創業社長、商売大事で法律何それな感じの人。二人目は懐刀の常務。商売は下手だけど総務方面に強く、法令にもある程度通じ遵法精神がある。そして三人目は顧問弁護士にして社外監査役の若者。
全ての牛島作品を読んだわけではありませんが、今までのパターンだと社長が常務の言うことを聞かないため危機に陥ったところを弁護士が颯爽と現れて解決。そういう展開かと思っていたら、ちょっと変な方向に話しが向かっていきました。
詳しく書くとネタバレになってしまうので控えますが、どうも筆者としては昨今の状況に不信感のようなものがあるのかなという印象の結末となります。このあたり、「やっぱり会社は「私」のものだ (じっぴコンパクト)
私としては、かっこいい大木先生の活躍が見れなくてちょっと食い足りない感じでしたが、企業法務の最新トピックを押さえる上では良い本なのではないかと思います。
評価:★★★☆☆
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