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2010年7月1日木曜日

『偽りの名画』(アーロン・エルキンズ) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

先日読んだ『古い骨』の作者による美術ミステリ。絵画の勉強にもなって良いのですが、主人公や話の展開が少々アメリカンすぎる気もします。いい意味でも悪い意味でも。



筆者は、読了後にはある分野における一定の知識が得られるような作品を心がけているそうで、真面目に読めば勉強になるかもしれません。私は雰囲気だけで十分だったので、そのあたりは適当に読み飛ばしました。いけない教え子です。

サンフランシスコ美術館の学芸員を務める「クリス・ノーグレン」は離婚調停の泥沼中。上司の勧めもあり、気分転換もかねてベルリンで開かれる名画展のため出張に出ることにしたが、そこで盗難事件にはちあいます。贋作があると意味ありげな言葉を残した上司が殺されたり、それについて調べようとしたクリス自身も襲われたりと物騒な展開に。

旅先ではお約束のように美女の「アン・グリーン」といい感じなったりならなかったりと、なんとも分かりやすい展開です。エンターテインメントとしては面白いのだけれど、なんだか折角いい感じな絵の薀蓄が台無しになってる感も無くはありません。

ほんとに話し自体は面白くて、ラストまで一気に読めてしまったのですけれど、美術的な情緒溢れる展開を期待していたのでちょっと当てが外れたところはあります。アメリカンならアメリカンで、せめて主人公がもっとヒーローっぽく活躍してくれればうれしいんですけどね。

同筆者の作品を何冊か古本屋で入手済みなのですが、読み進めるか迷うところです。まぁ、他の積みが全部さばけてからになりますでしょうか。

評価:★★☆☆☆

2010年6月25日金曜日

『古い骨』(アーロン・エルキンズ) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

人骨を研究対象とする「スケルトン探偵」ギデオン・オリヴァーが活躍する、1988年アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞の受賞作品だそうです。とりたてて主人公がチートなわけでもなく、いかにもアメリカっぽい真っ当な展開のミステリです。



鑑定系の探偵小説が読みたいと思って調べていたところ、同作者の偽りの名画という作品があるのを知ったのですが、「スケルトン探偵」シリーズのほうが有名っぽいので先に手をつけてみることにしました。

主人公は骨を見た瞬間なんでも明らかになる、というようなスーパーマンではありません。フランスへ出張中に巻き込まれた事件で、地元警察官の嫌味を受けながら、たまたま一緒だった友人のFBI捜査官「ジョン・ロウ」とともに真実を地道に追いかけていきます。

主人公も相棒も、どことなくお気楽な雰囲気が良いです。主人公「オリヴァー」は一応真面目な性格ではありますが、堅苦しい学者肌とは縁遠く、自分から事件に首を突っ込んで危ない目に合っても懲りない困った人。相棒の「ジョン」はとてもFBIとは思えない、ハンバーガ好きの軽い性格。でも、オリヴァーの好奇心に巻き込まれて貧乏くじを引くのはちょっと可哀想ですね。

ネタと言うかトリック部分はわりかし見え見えでしたが、どちらかというと結果より過程を楽しませる内容なのであまり気になりませんでした。なんとなく大雑把な、いかにもアメリカっぽい作風は嫌いではありません。

読んでておかしいなと思ったのですが、実はシリーズ4作目なのですね。受賞歴のある本作が一番最初に翻訳されたということなのでしょうけれど、正直どうなんでしょう。

出張先からでも電話でいちゃつくラブラブっぷりの愛妻ジュリー。彼女との馴れ初めを読むには、過去に遡らなきゃいけないのですね。このまま翻訳順に手をつけていくか、いまさらでも執筆順に追ってみるべきか、悩みどころです。

評価:★★☆☆☆