人骨を研究対象とする「スケルトン探偵」ギデオン・オリヴァーが活躍する、1988年アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞の受賞作品だそうです。とりたてて主人公がチートなわけでもなく、いかにもアメリカっぽい真っ当な展開のミステリです。
鑑定系の探偵小説が読みたいと思って調べていたところ、同作者の偽りの名画という作品があるのを知ったのですが、「スケルトン探偵」シリーズのほうが有名っぽいので先に手をつけてみることにしました。
主人公は骨を見た瞬間なんでも明らかになる、というようなスーパーマンではありません。フランスへ出張中に巻き込まれた事件で、地元警察官の嫌味を受けながら、たまたま一緒だった友人のFBI捜査官「ジョン・ロウ」とともに真実を地道に追いかけていきます。
主人公も相棒も、どことなくお気楽な雰囲気が良いです。主人公「オリヴァー」は一応真面目な性格ではありますが、堅苦しい学者肌とは縁遠く、自分から事件に首を突っ込んで危ない目に合っても懲りない困った人。相棒の「ジョン」はとてもFBIとは思えない、ハンバーガ好きの軽い性格。でも、オリヴァーの好奇心に巻き込まれて貧乏くじを引くのはちょっと可哀想ですね。
ネタと言うかトリック部分はわりかし見え見えでしたが、どちらかというと結果より過程を楽しませる内容なのであまり気になりませんでした。なんとなく大雑把な、いかにもアメリカっぽい作風は嫌いではありません。
読んでておかしいなと思ったのですが、実はシリーズ4作目なのですね。受賞歴のある本作が一番最初に翻訳されたということなのでしょうけれど、正直どうなんでしょう。
出張先からでも電話でいちゃつくラブラブっぷりの愛妻ジュリー。彼女との馴れ初めを読むには、過去に遡らなきゃいけないのですね。このまま翻訳順に手をつけていくか、いまさらでも執筆順に追ってみるべきか、悩みどころです。
評価:★★☆☆☆
2010年6月25日金曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿