ストーンエイジCOPの続編です。前回は滝田たち大人が主人公だったのに対し、今回はタイトルの通り半アマゾン化された公園で独自のコミュニティを気づく子供達にスポットが当たっています。ちょっと青エロいです。
今回も近未来の半アマゾン化された舞台という点では共通ですが、陰謀渦巻く企業の実像が裏側に隠れてあまりでてこなかった点は、若干物足りなくもあります。もっとも、少年少女たちにフォーカスするという意味ではそれで成功だった気もします。
ストリート・チルドレンの中でも、「山賊」と呼ばれる子供達が主人公となります。名前の通り非常に攻撃的な彼らですが、生業はコンビニ強盗などよりハンティングが主のようです。前作で滝田と関わったのが影響しているのかもしれません。超然とした巫女にして娼婦役のミューが妊娠したりと、続巻に向けての前振りもばっちりな感じです。
滝田の原始人クローン疑惑はますます加速します。滝田自身は警察を辞めていますが、同僚に頼って調べたところ、彼と同様のごつい容貌をした同期がかなりの数見つかります。そのうちの一人にコンタクトを取ってみたところ、滝田と同様にでかくても穏やかな気性の持ち主であることが判明。彼らがどういう風に絡んでいくのか興味深いところです。
2004年に発売された単行本の文庫化だそうですが、このラストの引きで6年も待たされた方にとっては、かなりじれったく感じられたことでしょう。帯によると2010年10月に最終巻発売予定だそうで、私は前作の余韻を残しながら臨むことが出来る、幸運な読者となれそうです。
評価:★★☆☆☆
関連レビュー:
ストーンエイジCOP - 顔を盗まれた少年(藤崎慎吾)
2010年9月21日火曜日
2010年8月25日水曜日
ストーンエイジCOP - 顔を盗まれた少年(藤崎慎吾)
コンビニが警察業務のアウトソーシングを担う近未来が舞台です。ストーンエイジとは文字通り石器時代のこと。主人公の「滝田治」が類人猿のようなゴツイ容姿であるのが本書タイトルの由縁のようです。
現代日本にアマゾンのジャングルが融合したような奇怪な世界観。爬虫類などの逃げ出したペットが独特の生態系を築く一方、遺伝子技術の発達により、人は簡単に容姿を変えられるようになったりしています。
サブタイトルともなっている、顔を盗まれた11歳の少年「高橋健一」は、二人暮らしの母親に黙って容姿を人気のゲームキャラに変更したところ、元の彼にそっくりの偽者に取って代わられてしまいます。
コンビニ強盗の一味として捕まえた健一の境遇に不審を抱いた滝田は、その謎について調査を進めていくうちに、とある大企業の暗部に突き当たることとなります。巨悪と戦う、まさにストーリ自体は王道のど真ん中を突き破るものですが、背景の設定が設定だけに、異様な風情をかもし出しています。
ホームレス集団、とりわけ行くあてをなくした健一も頼った<山賊>と称す若者グループが、本書のなかでも一番の活気を見せてくれる存在です。ジャングルのような奇妙な生態系の発達により食料の入手がしやすくなり、ホームレス達も独自に自立化、組織化されてきているのです。
<山賊>のメンバーで13歳の少女ミューが、ヒロイン的位置づけとなるのでしょうか。ただし、仲間内で娼婦の役割を担っているため、そういうのが嫌な人は避けたほうが良いかもしれません。くらげの遺伝子により青白い光に包まれる、透き通るような肌の美少女。彼女がゴリラ男の滝田を意識するようになるきっかけについては、本書をご確認ください。
ごつい割りにやさしい滝田の性格と、何がなんだか分からない生態系が素敵な模様を描き出す本作品。続編があるほか、今年10月には最終第3巻も発売予定だそうです。続編のほうも先に文庫化してくれるとありがたいのですが・・・
評価:★★☆☆☆
関連レビュー:
ストーンエイジKIDS―2035年の山賊(藤崎慎吾)
現代日本にアマゾンのジャングルが融合したような奇怪な世界観。爬虫類などの逃げ出したペットが独特の生態系を築く一方、遺伝子技術の発達により、人は簡単に容姿を変えられるようになったりしています。
サブタイトルともなっている、顔を盗まれた11歳の少年「高橋健一」は、二人暮らしの母親に黙って容姿を人気のゲームキャラに変更したところ、元の彼にそっくりの偽者に取って代わられてしまいます。
コンビニ強盗の一味として捕まえた健一の境遇に不審を抱いた滝田は、その謎について調査を進めていくうちに、とある大企業の暗部に突き当たることとなります。巨悪と戦う、まさにストーリ自体は王道のど真ん中を突き破るものですが、背景の設定が設定だけに、異様な風情をかもし出しています。
ホームレス集団、とりわけ行くあてをなくした健一も頼った<山賊>と称す若者グループが、本書のなかでも一番の活気を見せてくれる存在です。ジャングルのような奇妙な生態系の発達により食料の入手がしやすくなり、ホームレス達も独自に自立化、組織化されてきているのです。
<山賊>のメンバーで13歳の少女ミューが、ヒロイン的位置づけとなるのでしょうか。ただし、仲間内で娼婦の役割を担っているため、そういうのが嫌な人は避けたほうが良いかもしれません。くらげの遺伝子により青白い光に包まれる、透き通るような肌の美少女。彼女がゴリラ男の滝田を意識するようになるきっかけについては、本書をご確認ください。
ごつい割りにやさしい滝田の性格と、何がなんだか分からない生態系が素敵な模様を描き出す本作品。続編があるほか、今年10月には最終第3巻も発売予定だそうです。続編のほうも先に文庫化してくれるとありがたいのですが・・・
評価:★★☆☆☆
関連レビュー:
ストーンエイジKIDS―2035年の山賊(藤崎慎吾)
2010年5月29日土曜日
『鯨の王』(藤崎慎吾)
でっかい鯨が超能力(?)で人を襲う話です。襲うといっても、もともと悪いのは人間の方なので、仕返しされるといった方がいいでしょうか。人間たちの思惑がちっぽけに感じる、痛快なお話でした。
主人公の鯨学者「須藤秀弘」、最悪です。妻にも娘にも逃げられた50近い巨漢のおっさん。学者としてはそれなりに優秀ですが、酒飲みで素行も悪く、異端の研究により学会でも爪弾きもの。若い娘と二人で乗った狭い潜水艇内で平気で小便するし。ヒロインの「ホノカ」も流石にこれにはデレないだろうと思っていましたが、さてどうなったでしょう。
鯨関係ですから、環境問題と絡めて読むこともできるかもしれません。そういう文脈でなら、どちらかというと鯨擁護的な作品ということになるのでしょうか。でも、あんまりそういう裏側を考えて読む話ではないですね。単純にエンターテインメントとして面白いし、それで充分だと思います。
須藤を担ぎ出した民間企業や、海底でちょっといけないことをしていたアメリカの軍事機関や、鯨を聖なる者と崇める宗教団体や、そういうものの一切が小賢しく感じられる「鯨の王」の無双っぷりを楽しんでみてください。ちょっと捕鯨反対派に共感しちゃいそうになりましたよ。
評価:★★★☆☆
主人公の鯨学者「須藤秀弘」、最悪です。妻にも娘にも逃げられた50近い巨漢のおっさん。学者としてはそれなりに優秀ですが、酒飲みで素行も悪く、異端の研究により学会でも爪弾きもの。若い娘と二人で乗った狭い潜水艇内で平気で小便するし。ヒロインの「ホノカ」も流石にこれにはデレないだろうと思っていましたが、さてどうなったでしょう。
鯨関係ですから、環境問題と絡めて読むこともできるかもしれません。そういう文脈でなら、どちらかというと鯨擁護的な作品ということになるのでしょうか。でも、あんまりそういう裏側を考えて読む話ではないですね。単純にエンターテインメントとして面白いし、それで充分だと思います。
須藤を担ぎ出した民間企業や、海底でちょっといけないことをしていたアメリカの軍事機関や、鯨を聖なる者と崇める宗教団体や、そういうものの一切が小賢しく感じられる「鯨の王」の無双っぷりを楽しんでみてください。ちょっと捕鯨反対派に共感しちゃいそうになりましたよ。
評価:★★★☆☆
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