2010年9月21日火曜日

ストーンエイジKIDS―2035年の山賊(藤崎慎吾) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

ストーンエイジCOPの続編です。前回は滝田たち大人が主人公だったのに対し、今回はタイトルの通り半アマゾン化された公園で独自のコミュニティを気づく子供達にスポットが当たっています。ちょっと青エロいです。



今回も近未来の半アマゾン化された舞台という点では共通ですが、陰謀渦巻く企業の実像が裏側に隠れてあまりでてこなかった点は、若干物足りなくもあります。もっとも、少年少女たちにフォーカスするという意味ではそれで成功だった気もします。

ストリート・チルドレンの中でも、「山賊」と呼ばれる子供達が主人公となります。名前の通り非常に攻撃的な彼らですが、生業はコンビニ強盗などよりハンティングが主のようです。前作で滝田と関わったのが影響しているのかもしれません。超然とした巫女にして娼婦役のミューが妊娠したりと、続巻に向けての前振りもばっちりな感じです。

滝田の原始人クローン疑惑はますます加速します。滝田自身は警察を辞めていますが、同僚に頼って調べたところ、彼と同様のごつい容貌をした同期がかなりの数見つかります。そのうちの一人にコンタクトを取ってみたところ、滝田と同様にでかくても穏やかな気性の持ち主であることが判明。彼らがどういう風に絡んでいくのか興味深いところです。

2004年に発売された単行本の文庫化だそうですが、このラストの引きで6年も待たされた方にとっては、かなりじれったく感じられたことでしょう。帯によると2010年10月に最終巻発売予定だそうで、私は前作の余韻を残しながら臨むことが出来る、幸運な読者となれそうです。

評価:★★☆☆☆

関連レビュー:
ストーンエイジCOP - 顔を盗まれた少年(藤崎慎吾)

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