2010年9月4日土曜日

武士道セブンティーン(誉田哲也) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

おお、超ストレートな友情物語ですね。黒岩怜那(くろいわれな)も巻き込み三角関係の様相を呈します。というか、前回ははっきりわかっていなかったけど、これって百合小説なんですね。



女性同士の友情をすぐに百合とかラベル付けしたがるのはあまり品の良いことではありませんが、この話しの肝は要するにそういうことなんだと思います。早苗が転校して遠距離恋愛状態となった二人。早苗にはレナ、香織には美緒というちょっといい感じの相手が現われたりもしますが、離れていることで二人の思いは一層募っていきます。

メンタリティとしてのレズではないのですけれど、女性同士の友情を擬似恋愛として扱うのは「マリみて」の手法ですね。こういう作品、女性作家ならではの感性がないと書けないものじゃないかと思っていましたが、そうでもないことを著者が見事に示してくれました。

前回はおまけのように最後ちょこっと出てきただけの「武士道」。本書ではなにがしかの答えのようなものが見えてきました。この作品における「武士道」というのが実際の剣道関係者にとってどれだけリアルに意識されるべきものなのかは存じませんが、やっぱりなんだか格好いいですよね。最後あたりの吉野先生の言葉にはちょっぴりじわっと来てしまいました。

前巻では早苗が2連勝。本巻では公式戦での対決は実現せず、練習試合では引き分け。プロレス的星とり関係からすると今度は香織が勝つ番ですが、大舞台で香織が勝ってしまうと最終勝者は香織の印象が強くなってしまうので、レナも含めた星勘定の調整をするんですかね。うーん、全然予測がつかない。楽しみです。

評価:★★★★☆

関連レビュー:
武士道シックスティーン(誉田哲也)

0 件のコメント:

コメントを投稿