仲良くすることが進化論的に優位な場合があること、嘘をつくことで円滑に回るもの、男女の考え方の違いについての進化論的見地からの説明、狩猟時代の特質を引きずっているがために現代社会にフィットできない人類の特性、など、なかなか興味深い話題が多かったです。
究極的な幸福とはなにかとい観点から、クオリアの話も持ち出されています。クオリアとは
快・不快や痛みや赤さなどの「自覚的な感じ」(P59)のこと。といってもわかりにくかもしれませんけれど、興味のある向きには紫色のクオリアなどお勧めです。ライトノベルですけれど、クオリアというものを物凄く端的な形でネタにしています。
本題といえるのが最後の2章だけに集約されるので、本の構成としては若干冗長な感じもしましたが、あとがきによると前半の進化心理学の部分をしっかり抑えていないと理解できないということだそうで、言われてみればなるほどという感じです。学問的色合いが強めですが、現在の不安定な社会を自覚的に生きていくためにはぜひ読んでおきたい一冊です。
評価:★★★☆☆
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