2010年7月28日水曜日

『愛は売るもの』(ジル・チャーチル) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

すっかりヴォールブルグの町に馴染んできた二人の館に、怪しげな人物の一行が宿泊を求めてきます。逡巡しつつも結局止めることにしたものの、またもや殺人事件が。恋の兆しも見えそうな見えなさそうな予感のする、グレイス&フェイバーシリーズ第4弾です。



今回の被害者は、怪しげな宗教関係の伝道師です。ちょっと考えればインチキとしか思えない輩ですが、不安な情勢を反映してか結構な数の信者を集めていたため、色々な厄介ごとが降り掛かってきます。宗教関係は本当に厄介ですね。

殺人事件には巻き込まれながらも、リリーとロバートはすっかり生活が落ち着いてきたようです。今回は臨時の教師をすることになりましたが、そこの校長(女性)が新たにグレイス&フェイバーに借家することになりました。貴族ぐらしには戻れないまでも、家賃収入の方は順調に増えてきているようです。

恋話のほうについては、ロバートの方はまぁいいとして、リリーのお相手はウォーカーになるんですかね?彼は2巻からの登場ですが、それならもう少しそれらしい演出で登場させて欲しかった気もします。

なんだか今回は兄妹の印象が随分薄かったですね。探偵役のリリーも最後にちょっと気がついたんだけどー、みたいな感じであまり物々しさがないのが、ちょっぴりモノ足りません。ただ、時代背景の描写は今回も興味深かったです。ルーズヴェルトも無事大統領に当選し、これからシリーズの雰囲気が変わってきたりするのでしょうか。

評価:★★☆☆☆

次巻:『君を想いて』(ジル・チャーチル)

関連レビュー:
『風の向くまま』(ジル・チャーチル)
『夜の静寂に』(ジル・チャーチル)
『闇を見つめて』(ジル・チャーチル)

0 件のコメント:

コメントを投稿