大人気でありながら絶版となっていたシリーズの大幅リライト版。プロローグとしては文句なしですが、新規で読む方には本書だけだと物足りなく感じられるかもしれません・・・ぜひ2巻以降も読んでから判断いただきたいです。
非常に入手の難しかった本シリーズ。私は人にはちょっと言いにくい方法で読んでしまっていたのですが、今回あらためてお布施の機会を得られたのは嬉しい限りです。
旧版が既に手元にないので直接の比較はできませんが、文体は多少硬くなってるようですね。ただ、ストーリーの大枠は基本的に変わりないですし、語りは相変わらず麻衣の一人称。旧版やコミックのファンにも安心して読んでいただけるかと思います。
麻衣の口調が結構ぶっちゃけてるんで、初読のかたにはこれで本当に硬くなってるの?と思われてしまいそうですが、なにせ最初はレーベル的制約がかなりきつかったそうで、当時の少女小説らしさがコテコテに全開の文章だったのです。
ただ、そのようなキャピキャピした文体と、そのわりに意外としっかりした内容とのギャップこそが、本書の魅力の一端でもあったとは思います。その点、少なくとも一巻だけ読む分には単なるパワーダウンと捕らえられてしまうかもしれません。
今回は事件自体も少々肩透かしなものですし、4人の霊能者達もほぼ空気の完全脇キャラです。ちょっと胡散臭いだけの彼らですが、次からは大活躍するので本当に本書だけで見切りをつけないでください。特に当分空気状態の綾子が活躍するまでは待っていてほしいです(^^;
次巻では麻衣がナルの事務所でバイトを始めますが、たしかそこで彼女の裏事情が明らかになったはずです。事件も本格的にホラーらしくなってきますので、しつこいですが評価は必ず次を読んでからにしていただきたいです。
評価:★★☆☆☆
2010年11月18日木曜日
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