戦闘シーン、うわーっと盛り上がるわけではないのがよかったですね。ラスボスで恋敵でもありながら、どうしても宿敵となりきれない宗介とレナードの空々しい関係。そして、師にして父親代わりだったカリーニンとのケジメをつける一騎打ち。主人公の性格もあるかもしれませんが、大ピンチに陥ってもどこか醒めているプロフェッショナル感の演出が素敵でした。
あの人は予想通り生きていましたが、彼の登場に対する仲間達のそっけない反応が素敵でした。死んだあいつのためにと意気あがっていたところだけに気持ちは分かりますが、そろって「台無し」呼ばわりは酷すぎます。いかにも彼ららしい素敵な関係がもう見られないかと思うと残念です。
本巻はいつにもまして挿絵が多かったような気がします。第1巻時点では、ちょっと古臭い絵柄棚と思ってしまったことを白状しなければいけません。今では四季童子さんは最も好きなイラストレーターの一人で、絵買いしてしまうこともしばしばです。
エンディング、素晴らしかったです。SFでありミリタリーものでもある本書ですが、あとがきで
最初の頃から決めていたことですが、この話はあくまでも「ボーイ・ミーツ・ガール」なのだと。とおっしゃられている通り、宗介とかなめの二人が最後はきっちり締めてくれました。ラストについては何も言うことはありません。
ちょっと残念なのは、やはり前作からの間が開きすぎたことですね。上下巻も分冊でかまわないので同時に発売してほしかった気がします。それでもここまできっちり話しを纏め上げるのは流石です。小説以外のお仕事も色々と忙しいようですが、次巻の構想もあるようですし、クラフトコップの続きも楽しみにしています。
評価:★★★★☆
関連レビュー:
『フルメタル・パニック!11 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上)』(賀東招二)
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