音楽ものコミックでは「のだめ」が完結しちゃいましたが、本シリーズがそれを補って余りあります。今回はひびきや秋央の活躍がやや控えめ。サブキャラたちメインの構成です。サブキャラなんですが・・・波多野さんも美月もヒロイン力高すぎ(笑)
本巻では美月で2話、波多野さんと梶原がそれぞれ1話、そして榊先生の家での合宿が2話の計6話が収められています。主人公たちが活躍せずとも充実感抜群の内容でした。
美月のエピソードで2話とったのは流石というべきか、まだまだ物足りないと見るべきか。そもそも人物紹介の扱いなど見ても準ヒロイン格のはずなんですけどね。出てくれば強烈なキャラなのに、波多野さんのせいで立場怪しげです。表紙も先に取られちゃったし。
波多野さんは・・・初出のクールビューティーな印象とのギャップ萌え。あざとすぎるほどあざとい作者の思惑にまんまとはまってしまう自分が悔しいです(笑)。
彼女の演奏シーンが初めて出てきました。もともと凄腕オーラは放ちまくってましたけど、ああいう形で弱点をつけるとは。あまりに魅力的過ぎる残念女子、色々な意味で美月危うし。
とまあ、メインヒロイン食っちゃう勢いの女性キャラたちはとても良かったのですけれど、実は本巻では男性キャラのエピソードのほうがぐっと来たりします。
梶原の私生活が一部公開。「やっぱり」と思えるところと「へー」と思えるところと。彼と懇意っぽかったフルート奏者「柊梨胡(ひいらぎりこ)」さんの立ち居地も今回はっきりしました。クールなワンレンお嬢様、たまりませんな。
波多野さんや梶原の話で触れられている、変に難解な「現代曲」は人気ないという話、門外漢ながらなるほどなーという気がしますね。素人レベルで知ってる曲って昔の作品ばかりだし。
あまり詳しくは知りませんが、ジャズなんかもそういうところがある印象です。ジャンルが成熟→高度化→参入障壁という図式は、どの分野でもいえそうなことだという気がします。
以前から名前だけは出ていた榊先生がようやく登場。本巻のメインといってよいでしょう。療養中などという話もあったので、もっと年配のおじいちゃんな人かと思っていましたが、えらくシャレのきいたダンディーなオッサンという感じで意外でした。奥さんと何歳違いなんでしょう。
名前だけ出しておいて後から登場の手法は大好物です。今回の榊先生しかり、あと残ってるところではユキエおばさんや如月先生のカルテット仲間もでてきてくれたりするのでしょうか。
そもそも音楽家ばかりという秋央の一族というのがどれほどのものなのか興味が尽きませんが、ひびきや秋央自身の活躍にも次回は期待したいところです。
評価:★★★★☆
関連レビュー:
天にひびき 2巻(やまむらはじめ)
2011年1月30日日曜日
琥珀のマズルカ(太田忠司)
現代ファンタジーとでも言うのでしょうか。あらすじが説明しにくいのですけれど、特異な設定を手堅く纏め上げた小粋な連作短編集です。流石はベテラン作家といった手際ですが、ちょっとまとまりすぎの感もなくはないかも。
警察や医者の手に負えない状況で頼られるのが「夢追い」の「マズルカ」です。基本は事件が起こるたびに駆け込まれる「ドラえもん」パターンですが、一連の事件の背後にはマズルカが追っているある人物が黒幕として動いています。
魂の離脱が医学的に認められた世界のお話となります。症状は2つ。
一つは魂が離れかけた「離魂(りこん)」という状態で、これを治せるのが「整魂師(せいこんし)」。霊感みたいな素養が必要で、語り手ポジションの刑事「桃内大輝(ももうちだいき)」がこの素養の持ち主です。
二つ目は魂が迷子になってしまう「魂睡(こんすい)」という状態で、これは「夢追い」と呼ばれる人に探し出してもらわなければなりません。マズルカはこちらにあてはまります。
ファンタジックな設定ではありますが、警察小説の体をなしているため、どちらかというと渋めの世界観です。マズルカは普段バーでピアノを弾いていて、警察への対応にも微妙にクールでそれっぽい感じ。
整魂師の両親を持つためいいように使われている桃内をはじめ、魂の世界でのマズルカのパートナー「琥珀」、それに謎めいた背景をもつ酔いどれ少年、自称マズルカのマネージャ「ケイ」など、サブキャラもなかなか魅力的で良いです。
基本的にミステリではないと思いますが、ミステリ風の構成ではあります。このあたりは筆者の本領発揮というところでしょうか。特に第3話では「素人探偵」なるものが出てきます。彼は他の作品で出てくる人物なのですかね?結構よさげなキャラなのですが、少なくとも本書では使い捨てです(笑)
ユニークな設定を見事に纏め上げた完成度の高い作品で、解決もなかなかお見事。ただ、ラスボスはもう少し強そうな感じでも良かったかなという気がします。全体的にまとまりすぎな印象はなくもないですが、そのぶん安心して読める作品ということは言えるかと思います。
評価:★★☆☆☆
警察や医者の手に負えない状況で頼られるのが「夢追い」の「マズルカ」です。基本は事件が起こるたびに駆け込まれる「ドラえもん」パターンですが、一連の事件の背後にはマズルカが追っているある人物が黒幕として動いています。
魂の離脱が医学的に認められた世界のお話となります。症状は2つ。
一つは魂が離れかけた「離魂(りこん)」という状態で、これを治せるのが「整魂師(せいこんし)」。霊感みたいな素養が必要で、語り手ポジションの刑事「桃内大輝(ももうちだいき)」がこの素養の持ち主です。
二つ目は魂が迷子になってしまう「魂睡(こんすい)」という状態で、これは「夢追い」と呼ばれる人に探し出してもらわなければなりません。マズルカはこちらにあてはまります。
ファンタジックな設定ではありますが、警察小説の体をなしているため、どちらかというと渋めの世界観です。マズルカは普段バーでピアノを弾いていて、警察への対応にも微妙にクールでそれっぽい感じ。
整魂師の両親を持つためいいように使われている桃内をはじめ、魂の世界でのマズルカのパートナー「琥珀」、それに謎めいた背景をもつ酔いどれ少年、自称マズルカのマネージャ「ケイ」など、サブキャラもなかなか魅力的で良いです。
基本的にミステリではないと思いますが、ミステリ風の構成ではあります。このあたりは筆者の本領発揮というところでしょうか。特に第3話では「素人探偵」なるものが出てきます。彼は他の作品で出てくる人物なのですかね?結構よさげなキャラなのですが、少なくとも本書では使い捨てです(笑)
ユニークな設定を見事に纏め上げた完成度の高い作品で、解決もなかなかお見事。ただ、ラスボスはもう少し強そうな感じでも良かったかなという気がします。全体的にまとまりすぎな印象はなくもないですが、そのぶん安心して読める作品ということは言えるかと思います。
評価:★★☆☆☆
2011年1月27日木曜日
ポリス猫DCの事件簿(若竹七海)
葉崎市「猫島」を舞台にした、猫がたくさん出てくる連作ミステリ短編集です。猫好きの方にお勧め。葉崎市のシリーズは基本のんびり基調ですが、わけても猫島はゆるすぎるくらいゆるい感じがとても和みます。
葉崎市シリーズでは7作目になるでしょうか。他のシリーズ作品が未読でも全然大丈夫ですが、同じ猫島を舞台にした「猫島ハウスの騒動」は、登場人物も多く被っているので、先に読んでおいたほうがベターかもしれません。
主役の警察猫(?)「DC」と「七瀬晃(ななせあきら:男です)」巡査は、前作に引き続いての登場となります。とりわけポリス猫は前回から存在感を発揮しまくっていましたので、再び猫島を舞台とするのであれば主役抜擢も当然というところでしょうか。
前作ヒロインの「杉浦響子(すぎうらきょうこ)」をはじめ、おなじみ他の住人達もしっかりちゃっかり登場しています。しかし、海水浴と猫だけが売りだったはずの猫島ですが、観光地としてのほほんとレベルアップしていっている感じです。資本主義何それ?的な雰囲気は全く変わりませんが。
短編7本にプロローグ + エピローグの構成となります。基本猫がらみの事件が中心で、解決のきっかけはDCから。きっかけというか、DCが推理したのを七瀬が汲み取る感じです。でっぷりどっかり貫禄ばっちりのDCもさることながら、頼りなさげな七瀬君もなかなかの推理力を見せてくれています。
ただ、ミステリとしては少し弱いかもしれませんね。一応連作短編形式ですが、最後のオチはちょっとわかりにくかったです。若竹七海さんの毒や切れ味を求める向きには肩透かしなところもあるかもしれませんが、猫島の緩々な雰囲気に浸るのが本書の正しい楽しみ方ではないかと個人的には思います。
評価:★★★☆☆
葉崎市シリーズでは7作目になるでしょうか。他のシリーズ作品が未読でも全然大丈夫ですが、同じ猫島を舞台にした「猫島ハウスの騒動」は、登場人物も多く被っているので、先に読んでおいたほうがベターかもしれません。
主役の警察猫(?)「DC」と「七瀬晃(ななせあきら:男です)」巡査は、前作に引き続いての登場となります。とりわけポリス猫は前回から存在感を発揮しまくっていましたので、再び猫島を舞台とするのであれば主役抜擢も当然というところでしょうか。
前作ヒロインの「杉浦響子(すぎうらきょうこ)」をはじめ、おなじみ他の住人達もしっかりちゃっかり登場しています。しかし、海水浴と猫だけが売りだったはずの猫島ですが、観光地としてのほほんとレベルアップしていっている感じです。資本主義何それ?的な雰囲気は全く変わりませんが。
短編7本にプロローグ + エピローグの構成となります。基本猫がらみの事件が中心で、解決のきっかけはDCから。きっかけというか、DCが推理したのを七瀬が汲み取る感じです。でっぷりどっかり貫禄ばっちりのDCもさることながら、頼りなさげな七瀬君もなかなかの推理力を見せてくれています。
ただ、ミステリとしては少し弱いかもしれませんね。一応連作短編形式ですが、最後のオチはちょっとわかりにくかったです。若竹七海さんの毒や切れ味を求める向きには肩透かしなところもあるかもしれませんが、猫島の緩々な雰囲気に浸るのが本書の正しい楽しみ方ではないかと個人的には思います。
評価:★★★☆☆
2011年1月26日水曜日
シアター! 2(有川浩)
前巻のやや淡白な印象が覆りました。商売として成立しにくい劇団や役者たちの実情が微細に描かれていますが、これだけ書き込んでもさっぱりリアリティが生まれない有川作品が大好きです。
今回はちょっとトリッキーな構成となっています。サブキャラに焦点を当てた短編4本に、次巻へ向けてのプロローグ的な位置づけと思われる2編を加えた全6話。プロローグといっても、本巻内だけで十分完結した話となっているので、お預け感はありません。
なにしろ10人もいる劇団員なので、前巻読了時には全般的にぼんやりと霞のかかった雰囲気を感じていました。今回、それぞれのサブキャラにスポットが当てられたことで、話の輪郭が随分クリアになったように思います。
劇団内部や辞めていったメンバー達とのドロドロした人間関係。やろうと思えばいくらでも文学的な方向へ突き進めそうなテーマですが、それを許さないのがエンターテイメントを愛する有川先生の真骨頂です。
なにしろ鉄血宰相が万能過ぎます。各メンバーからの相談に突き放すようでいながら、絶妙な形で救いの手を差し伸べるツンデレッぷり。ドロドロした人間模様があっさり吹き飛ばされていくのはとても嘘臭く、そして痛快です。
恋愛模様もいつものように予定調和的なものとなりそうですね。真の恋愛小説好きには物足りなさMaxかもしれませんが、私としては安心してクライマックスを迎えられそうで嬉しいところです。
傑作「ストーリー・セラー」から一転、いつもの有川節全開といった印象の本作品。次が最終巻になりそうとのことですが、このままなら実にきれいに収まってくれそうで、期待してお待ち申し上げます。
評価:★★★★☆
関連作品
今回はちょっとトリッキーな構成となっています。サブキャラに焦点を当てた短編4本に、次巻へ向けてのプロローグ的な位置づけと思われる2編を加えた全6話。プロローグといっても、本巻内だけで十分完結した話となっているので、お預け感はありません。
なにしろ10人もいる劇団員なので、前巻読了時には全般的にぼんやりと霞のかかった雰囲気を感じていました。今回、それぞれのサブキャラにスポットが当てられたことで、話の輪郭が随分クリアになったように思います。
劇団内部や辞めていったメンバー達とのドロドロした人間関係。やろうと思えばいくらでも文学的な方向へ突き進めそうなテーマですが、それを許さないのがエンターテイメントを愛する有川先生の真骨頂です。
なにしろ鉄血宰相が万能過ぎます。各メンバーからの相談に突き放すようでいながら、絶妙な形で救いの手を差し伸べるツンデレッぷり。ドロドロした人間模様があっさり吹き飛ばされていくのはとても嘘臭く、そして痛快です。
恋愛模様もいつものように予定調和的なものとなりそうですね。真の恋愛小説好きには物足りなさMaxかもしれませんが、私としては安心してクライマックスを迎えられそうで嬉しいところです。
傑作「ストーリー・セラー」から一転、いつもの有川節全開といった印象の本作品。次が最終巻になりそうとのことですが、このままなら実にきれいに収まってくれそうで、期待してお待ち申し上げます。
評価:★★★★☆
関連作品
2011年1月23日日曜日
高杉さん家のおべんとう 3(柳原望)
重いコイバナ展開はやだなーとおもっていた前巻ラストでしたが、とんだ杞憂だったようです。この筆者、残念な男子描くのがとても上手ですね。同属としてちょっと複雑(笑)。なにやら久留里出生の秘密など不穏な話も出てきつつ、あいかわらずほんわか展開の第3巻です。
いきなり恋敵(?)として登場した「丸宮元(まるみやはじめ)」君。強キャラかと思ってびくびくしていたら、単に空気読めない一直線キャラで安心しました。確かにわが身を省みても、女性一般と比べて男のエアリーディング(空気読み)スキルって低いような気がします。で、後になってから悶々と・・・嫌なこと思い出してしまった。
学会ネタなど相変わらずでしたが、とりわけ「元老院」というのはいかにもっぽくて受けました。そして、それを篭絡するセーラー服美少女。彼らが単純に嫌なやつらで終わらなかったのが良かったです。
今回はまた、際物のお弁当が多かった印象です。素麺ってお弁当になるんですね。私も機会があればやってみたいです。「ヘボ」の話は、流石に筆者が力を入れていたようなだけあって、本巻ベストのお話だったと思います。自分で食べたいとは思いませんでしたが・・・
本シリーズは単に料理自慢にとどまらない生活の知恵が溢れているのが好きですね。料理上手の小坂さんが常に一品おかずだったり、節子さんが力説する「なんとでもなる」の心得など。確かに毎日繰り返されるものであるからこそ、省労力の工夫がとても大事なのだと思います。
今回は久留里出生の秘密なども出てきましたが、結局ハルミがやったのは力技のごまかしでは?まあ、彼らしくて良かったですけれど。そもそも4親等はなれてるからOK的なスタンスの久留里には、あまり関係ない感じでしたね。しかし、これで本格的に高校生妻への流れが加速なのでしょうか・・・
あとがきによると、柳原さんの3巻越えは久しぶりとのことですが、いっそ正式に家庭を持って子供が生まれるまで延々と続けていただきたいところです。光源氏展開を現在進行形で見られる機会もなかなかないですし、大いに期待いたしております。
評価:★★★★☆
いきなり恋敵(?)として登場した「丸宮元(まるみやはじめ)」君。強キャラかと思ってびくびくしていたら、単に空気読めない一直線キャラで安心しました。確かにわが身を省みても、女性一般と比べて男のエアリーディング(空気読み)スキルって低いような気がします。で、後になってから悶々と・・・嫌なこと思い出してしまった。
学会ネタなど相変わらずでしたが、とりわけ「元老院」というのはいかにもっぽくて受けました。そして、それを篭絡するセーラー服美少女。彼らが単純に嫌なやつらで終わらなかったのが良かったです。
今回はまた、際物のお弁当が多かった印象です。素麺ってお弁当になるんですね。私も機会があればやってみたいです。「ヘボ」の話は、流石に筆者が力を入れていたようなだけあって、本巻ベストのお話だったと思います。自分で食べたいとは思いませんでしたが・・・
本シリーズは単に料理自慢にとどまらない生活の知恵が溢れているのが好きですね。料理上手の小坂さんが常に一品おかずだったり、節子さんが力説する「なんとでもなる」の心得など。確かに毎日繰り返されるものであるからこそ、省労力の工夫がとても大事なのだと思います。
今回は久留里出生の秘密なども出てきましたが、結局ハルミがやったのは力技のごまかしでは?まあ、彼らしくて良かったですけれど。そもそも4親等はなれてるからOK的なスタンスの久留里には、あまり関係ない感じでしたね。しかし、これで本格的に高校生妻への流れが加速なのでしょうか・・・
あとがきによると、柳原さんの3巻越えは久しぶりとのことですが、いっそ正式に家庭を持って子供が生まれるまで延々と続けていただきたいところです。光源氏展開を現在進行形で見られる機会もなかなかないですし、大いに期待いたしております。
評価:★★★★☆
2011年1月22日土曜日
ゴルフ場殺人事件(アガサ・クリスティー)
ポアロシリーズ長編2作目。野暮ったい邦題タイトルのわりには真っ当な印象のお話です。ライバル刑事や謎の美女登場などの緩急ある展開に加え、肝心の謎解きもなかなかお見事。それにしてもヘイスティングズ・・・(^^;
「ゴルフ場殺人事件」とありますが、特にゴルフ場ならではの趣向があるわけではありません。単にゴルフ場で殺されただけ。もっとも自宅のゴルフ場ということで、金持ちの象徴というのはあるかもしれませんが。ゴルフクラブがどうとかキャディがどうとかが全くなかったのには、なんとなく安心しました。
ヘイスティングズは前作につづき、またしても見事な道化っぷりをみせてくれます。なんだか彼がやらかすと全部持っていってしまうので、ちょっと難しいキャラだなという印象がありますが、前回よりは色々な意味で救いのある感じだったのが良かったです。
一応ライバル刑事「ジロー」が登場しますが、途中はともかく終盤がちょっとあっけなさ過ぎる気はしました。散々やり込められる結果となった場面を、さらっと流さずもっと見てみたかった気がします。
ヘイスティングズといいジローといい、なんとも典型的というかお約束なキャラなので、その点は好みが分かれそうなところかもしれません。ただ、本作は謎解きそのものもかなり秀逸ですし、なにより17歳の美少女「シンデレラ」の登場タイミングが実に絶妙です。
ちょっと興味がでたので調べてみましたが、ヘイスティングズって知名度の割りにそれほど多くの作品に登場しているわけではないのですね。評価の高い有名作でいうと「ABC殺人事件」くらいでしょうか。
それはそうだろうなーという気がします。彼のやらかしっぷりは、純粋なミステリの観点からいくと若干反則気味なところがあうように思えるのです。それはやっちゃ駄目だろという線を平気で超えてしまう(笑)。ゴシップ的ドタバタも妙にクローズアップされすぎてしまいますし。
そういう意味で、本書の評価はヘイスティングズの存在を許容できるか否かにかかっているように思うのですけれど、前作「スタイルズ荘の怪事件」と比べれば、素直に楽しめたように思います。シリーズものとしては美味しいキャラですよね。
でも、ラストでは色々な展開もあったことだし、彼の行動パターンも少しは変わってくるのでしょうか。次回以降の登場がとても楽しみになってきました。
評価:★★★☆☆
「ゴルフ場殺人事件」とありますが、特にゴルフ場ならではの趣向があるわけではありません。単にゴルフ場で殺されただけ。もっとも自宅のゴルフ場ということで、金持ちの象徴というのはあるかもしれませんが。ゴルフクラブがどうとかキャディがどうとかが全くなかったのには、なんとなく安心しました。
ヘイスティングズは前作につづき、またしても見事な道化っぷりをみせてくれます。なんだか彼がやらかすと全部持っていってしまうので、ちょっと難しいキャラだなという印象がありますが、前回よりは色々な意味で救いのある感じだったのが良かったです。
一応ライバル刑事「ジロー」が登場しますが、途中はともかく終盤がちょっとあっけなさ過ぎる気はしました。散々やり込められる結果となった場面を、さらっと流さずもっと見てみたかった気がします。
ヘイスティングズといいジローといい、なんとも典型的というかお約束なキャラなので、その点は好みが分かれそうなところかもしれません。ただ、本作は謎解きそのものもかなり秀逸ですし、なにより17歳の美少女「シンデレラ」の登場タイミングが実に絶妙です。
ちょっと興味がでたので調べてみましたが、ヘイスティングズって知名度の割りにそれほど多くの作品に登場しているわけではないのですね。評価の高い有名作でいうと「ABC殺人事件」くらいでしょうか。
それはそうだろうなーという気がします。彼のやらかしっぷりは、純粋なミステリの観点からいくと若干反則気味なところがあうように思えるのです。それはやっちゃ駄目だろという線を平気で超えてしまう(笑)。ゴシップ的ドタバタも妙にクローズアップされすぎてしまいますし。
そういう意味で、本書の評価はヘイスティングズの存在を許容できるか否かにかかっているように思うのですけれど、前作「スタイルズ荘の怪事件」と比べれば、素直に楽しめたように思います。シリーズものとしては美味しいキャラですよね。
でも、ラストでは色々な展開もあったことだし、彼の行動パターンも少しは変わってくるのでしょうか。次回以降の登場がとても楽しみになってきました。
評価:★★★☆☆
2011年1月20日木曜日
とある飛空士への恋歌 5(犬村小六)
話の展開的にどう落とすのかと思っていましたが、見事な収束でした。筆者はカタルシスというもののツボを知り尽くしてますね。序盤早々から涙腺ゆるみ気味になってしまいました。
クライマックスとして見た場合、「追憶」のわかりやすい決戦と比べて、若干変化球気味なところはあるかもしれません。その点では物足りなさも感じなくはないですが、達成感というか納得感の演出については文句なしだったと思います。
立派に成長したカルエルが、それでもヘタレ入ったままなのは良かったです。完璧超人なんて彼の柄じゃありません。ただ、せっかく飛空士として成長した割りには、本巻ではそちら方面の活躍が控えめだったのが残念といえば残念。
本シリーズでは三角関係も主要な軸の一つだったかと思いますが、それがあまりドロドロしたものにならなかったのも良かったです。特にアリエルは最後までいかにも彼女らしくて、その心根には胸を打たれます。人気投票があれば文句なくNo1でしょうねー。
長期間の遠征帰りということで、帰還の演出は「指輪物語」を髣髴とさせます。文庫で全5巻というのは、長いとも短いともいえない微妙な長さですが、ライトノベルとしてみれば絶妙のバランスだったといえるかもしれません。
後書きがありませんでしたけど、また続きは出るんでしょうか。世界観の概要はわかりましたが、正直なところこのままでは「だから何?」というものでしかありません。色々含みも残っているようなので、続編には是非期待したいです。今度はどのような空戦が待っているのか、今から楽しみです。
評価:★★★★☆
クライマックスとして見た場合、「追憶」のわかりやすい決戦と比べて、若干変化球気味なところはあるかもしれません。その点では物足りなさも感じなくはないですが、達成感というか納得感の演出については文句なしだったと思います。
立派に成長したカルエルが、それでもヘタレ入ったままなのは良かったです。完璧超人なんて彼の柄じゃありません。ただ、せっかく飛空士として成長した割りには、本巻ではそちら方面の活躍が控えめだったのが残念といえば残念。
本シリーズでは三角関係も主要な軸の一つだったかと思いますが、それがあまりドロドロしたものにならなかったのも良かったです。特にアリエルは最後までいかにも彼女らしくて、その心根には胸を打たれます。人気投票があれば文句なくNo1でしょうねー。
長期間の遠征帰りということで、帰還の演出は「指輪物語」を髣髴とさせます。文庫で全5巻というのは、長いとも短いともいえない微妙な長さですが、ライトノベルとしてみれば絶妙のバランスだったといえるかもしれません。
後書きがありませんでしたけど、また続きは出るんでしょうか。世界観の概要はわかりましたが、正直なところこのままでは「だから何?」というものでしかありません。色々含みも残っているようなので、続編には是非期待したいです。今度はどのような空戦が待っているのか、今から楽しみです。
評価:★★★★☆
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