サクラコの美しさが世界を滅ぼす。
世界一の美少女とたたえられる阿岐ヶ原王家の「サクラコ」内親王。その美しさに目をつけた悪の科学者「ディドル・オルガ」は、原子力兵器の原動力としてサクラコを誘拐します。
ちょっと聞いただけでは訳が分からないと思いますが、要するにサクラコの美しさを原子力エネルギーに変換しようということです。生粋のSF読みには耐えられなさそうなアバウト設定ですが、これが本書のテイストだと思ってください。
童話のような世界観だと思ってもらうとしっくりくるでしょうか。ただ、恋仲になる最強の牢番「ナギ」とサクラコのベロチューとかもあったりして、あまり子供に勧められるものではないかもしれません。
「とある飛空士への追憶」のようなぐっと情緒に訴えるところはありませんが、なかなか凝った仕掛けも施されているので、ミステリテイストが好きな方にはかなりはまるのではないかと思います。
初の星海社FICTIONS作品。紙質が同レーベルの売りになっているようですが、ペラペラで安っぽい感じがして、個人的にはあまり好きではありません。ただ、本書に関しては片山若子さんによるオールカラーの美麗イラストが実に良い感じです。
深窓の令嬢というよりやんちゃな感じのサクラコのキャラは良かったのですが、なぜか感情移入はしにくかった気がします。ストーリー自体には十分満足させてもらいましたが、キャラ萌えも泣かせもないので、筆者の過去の作品が好きな方には、もしかしたら評価が分かれるかもしれません。
評価:★★★☆☆
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