2010年8月5日木曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(岩崎夏海) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

泣いちゃいました。ビジネス入門書と思って油断した。ドラッカー入門としても秀逸だと思いますが、もっと淡々としたストーリーを想像していたら良い意味で裏切られました。



今までスルーしていたのは話題になりすぎていたためです。「もしドラ」とか調子に乗りすぎだろ、みたいな。大体にしてレビューブログなんてやってる人は一家言あるひねくれものが多いと思うんですね。表紙があんなラノベっぽくては、際物なんだろうなという先入観が先にたってしまいます。客先でも話題になっているようなので、今回やむなく手にとってみた次第です。

以前の勤め先の社長がドラッカー好きだったこともあって、本家「マネジメント」のほうは既読でした。それもあって、わざわざ手を出すこともないかなと思っていたのですが、本書中の引用を眺めているうちに、こういう本は一回読んだだけでは駄目なんだなと改めて気づかされました。みなみちゃんみたいにボロボロになるまで読み込んで、実践しないと意味がありませんね。

否定的な意見は、まぁあるだろうなと思います。Amazonのレビューを見ていると、「文章が稚拙」とか「ノーバントノーボールは非現実的」とか「あざとい企画もの」とか、これは私も同様に感じた部分が多少はありました。ただ「ドラッカー初心者」という顧客に対してドラッカーの思想を紹介するという観点でいくと、本書は完璧に目的を達成出来ているのではないかと思います。読みやすく分かりやすいものを低く見る風潮が、私はあまり好きではありません。

もし本書の内容を役立てようと真剣に思うのなら、みなみちゃんと同様にエッセンシャル版を買って何度も読み込み、実践してみることが重要です。ただ、本書はあまり構えずに単純にエンターテインメントとして読んでも良いのではないでしょうか。企画と同様ストーリー自体も相当あざといので、拒否反応が出ちゃう人もいるかと思いますが、わたしみたいな単純な人にはじわっと来る、明るくも切ないお話しとなっています。

評価:★★★★★

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