2010年8月4日水曜日

隠し剣孤影抄(藤沢周平) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

ちょっと残念な藩主「右京太夫」の治める海坂(うなさか)藩を舞台とした、剣客もののオムニバス短編集です。映画「必死剣鳥刺し」の原作も収録されています。しかしこの藩、何人剣豪がおるんだ(^^;



多分、藤沢周平作品を読むのはこれが初めてです。実家で母が山のように集めていたのに、何故か手が出ませんでした。冊数が多くてどれから読めばよいのか分からないということもあったのですが、本書もロングセラー作品だそうなので、一冊目としては良かったかもしれません。以下、各話の一行感想です。

邪剣竜尾返し:まぁ、奥義なんてこんなもんでしょう。
臆病剣松風 :臆病を武器にします。本書で一番好き。
暗殺剣虎ノ眼:ちょっとしたホラー展開。オチがやや唐突な感も。
必死剣鳥刺し:本書一番の完成度。映画化に選ばれるのも当然。
隠し剣鬼ノ爪:そんなんあり?的奥義。
女人剣さざ波:ヘタレ亭主に共感。
悲運剣芦狩り:秘剣を破る方法。
宿命剣鬼走り:救いようのない話。ラストがこれか・・・

悲運剣と宿命剣の両方で「卯女(うめ)」という未亡人が出てきますが、何か深い意味があるんですかね。亡き夫の名前が違ってるので、違う人物のはずなのですが。続編があるようなので、そちらで明かされることを期待しています。

評価:★★☆☆☆

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