筆者の作品は異世界ファンタジーしか読んだことないのですが、本書は現代日本が舞台となっています。とはいえ、主人公はある意味とてもファンタジー。探偵さん自身の能力がミステリーという一風変わった作品ですが、軽快に読ませてくれてなかなか楽しめました。
一応探偵事務所を構えてはいるものの、やる気のなさ全開の探偵「百乃喜 太郎(もものき たろう)」。彼には推理力も調査力も腕力も何も備わっていませんが、ある能力(体質?)により一部関係者からは渋い顔をされながらも重宝されています。
ぐうたらな彼ひとりでは何も話が動きません。彼を取り巻く美人秘書と4人の幼馴染達(弁護士、公務員、格闘家、役者)が、百乃喜の能力を駆使して事件の捜査に乗り出します。
その能力自体は一応伏せますが、設定自体は結構ありそうなものかもしれません。本書の主眼はむしろ美人秘書や取り巻き立ちのキャラクタにあるといってよいでしょう。どれもこれも一癖ある人物ばかりで読んでいて楽しいです。
あえて難をあげるとすれば、みんなちょっとできすぎなキャラというところですかね。主人公の取り巻きはもちろん、事件に関わる人物がみなキレイ過ぎな感じ。もちろんそれは長所にもなりうる点で、人によって評価の分かれるところでしょう。
伏線は色々仕込まれているようです。大富豪で、散々恐ろしがられている大家の「銀子」さんも直接は登場せず、主人公や友人達の周辺にも興味深いネタが色々隠されていそうなので、次巻以降が楽しみです。
評価:★★☆☆☆
2010年12月16日木曜日
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