霊感皆無でも科学と論理で怪異に立ち向かう、ダークヒーロー「九条湊」のシリーズ第2弾です。超常と科学がまざった不思議現象の解明ロジックは相変わらずお見事でしたが、今回は構成もちょっと捻っていてハッとさせられます。
ミナトが沙耶とユウキを引き連れて事件に立ち向かうという構図は前回と変わらず。こういうお約束的なパターン化は、安心感があってよいですね。シリーズとして長続きしそうです。
ただ、今回はピンチっぽくなるのが強キャラのミナトなため、緊張感という点では若干落ちるかもしれません。正直に言うと、沙耶がミナトにネチネチいたぶられるシーンをもっとみたかった気が・・・沙耶分が足りない!
沙耶もユウキも普通に役立っている点が物足りなくはあったのですが、シリーズとしてみた場合、少年少女がミナトのパートナーとしてしっかり立ち居地を固める必要性はあったのかもしれません。
以下、少しネタバレが入るので既読の方のみ反転でお願いします。
前巻が2話構成で、今回も目次によると2話 + αだったので、当然中短編集かと思って読んでいたらまさかの長編構成。しかも1話のあの引き。すっかり油断していました。2巻目だからこその仕掛けという感じです。
1話のあの続き方は、いかにもホラーっぽい雰囲気が出ていて良かったですね。ただ、あのまま終わりでも味があったかもしれないなという気はしますが。ホラー小説ではああいうオチも結構ありますよね。
今回の蜃気楼の怪異は、前回の2話と比べると個人的にインパクトはそれほどでもなかったですが、不思議感の演出はなかなかだったと思います。あの悪意のない怪異は、超常現象と科学現象をミックスさせた、いかにも本シリーズらしい見せ方です。優しいエンディングも素敵でした。
次回は「夢」というタイトルの沙耶が活躍する話が入るらしいですが、雑誌掲載分でしょうか。やはり沙耶がいじられまくるのが個人的には一番楽しみなので、大いに期待しています(笑)
評価:★★★☆☆
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2011年6月26日日曜日
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