2010年6月6日日曜日

『万能鑑定士Qの事件簿 1』(松岡 圭祐) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

本屋さんでプッシュされてるようなので買ってみました。2巻とあわせて一話のようです。主人公がチートで展開もぶっ飛んでいる割には、あまりライトノベルっぽい感じはしません。いままで読んだことのある本では、池上永一さんのシャングリ・ラが近い雰囲気ですかね。



主人公の「凜田莉子(りんだりこ)」は沖縄出身の23歳。高校時代は顔と性格だけが取り柄の超オチこぼれだった彼女が、いかにして博識のスーパー鑑定士になりえたのか。本巻では相撲シールの謎を追う本編と莉子の過去話の2本立てでストーリーが進みます。

依頼人の腕時計から瞬時に相手の素性をプロファイルしてしまう手管、私は密かにホームズメソッドと呼んでます。熟練の筆者らしく天才の描写は手馴れた感じです。でも、なんでもクールにお見通しなようで、ちらちらと垣間見せる世間知らずの純朴さや不安定さが、本主人公の本当の魅力です。それで萌え要素を感じさせないのも不思議なところですが(悪い意味ではなく)。

本編の語り手は「週刊角川」編集部の「小笠原悠斗」。リアルに角川書店が舞台になるのは私としてはちょっと微妙かも。語り手と作者の名前が同じだったりする作品、あまり好きじゃないんですよね。リアルとフィクションの狭間にいる不安定さになかなか慣れないのです。でも「週刊角川」は架空だし、本作はぎりぎりアリですかね。

妙に精巧な相撲シールが偽札事件と絡んでくるようですが、詳細な背景は1巻でもまだあきらかにされていません。偽札の供給量が半端でなく、ハイパーインフレを引き起こす超展開となっていくようで、ただの何でも鑑定士がどのように事件を納めることになるのか楽しみです。

追記:2巻のレビューはこちら
http://masa-w.blogspot.com/2010/06/q2.html

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