2010年6月16日水曜日

『螢坂』(北森 鴻) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

ビアバー(というより創作小料理屋)「香菜利屋」を舞台にした連作短編集の3作目。北森さんの短編は本当にうまくてじんわりきて面白いですね。早世されたのが残念で仕方ありません。



マスター工藤の料理とアームチェアディテクティブが本シリーズの見所なわけですが、常連さんたちとの掛け合いもなかなか良いですね。アシモフの黒後家蜘蛛の会と似たような作りですが、こちらのほうが情感を読ませる感じがします。

「日常の謎」に分類される作品になるかと思いますが、それなりに重いシチュエーションを扱いながら、救いようの無い結末にならないのがいいですね。4話目の「双貌」が、ちょっと作中作っぽい展開から意外なオチをみせて、思わず唸らされました。

香菜利屋シリーズは4巻がラストになるようですね。もう北森さんの新作は望めないわけですから、文庫化するのをじっくり待ちたいと思います。

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評価:★★★★☆

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