2010年6月22日火曜日

『空色勾玉』(荻原規子) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

日本ファンタジー最高傑作との声も聞かれる本作。文庫化を機に読んでみました。透明感のある純和風な世界観で、なるほどファンが多いのもうなずけます。個人的には少しきれい過ぎてしんどい気もしましたが、お話し自体は流石に良く出来ていると思いました。



古事記がベースになっているそうですね。私は古典に明るくありませんが気にせず読めました。ただ、原典を知ってるとより楽しめるかもしれません。

照日王(てるひのおおきみ)=アマテラス、月代王(つきしろのおおきみ)=ツクヨミ、稚羽矢(ちはや)=スサノオで、「輝(かぐ)の大御神」と「闇(くら)の大御神」がイザナギ、イザナミになるんですかね。ヒロインの狭也(さや)や闇の一族のモチーフは良く分かりませんでしたが、このあたりはオリジナルになるんでしょうか。

日本三大ファンタジーなどと呼ばれることもある十二国記守り人シリーズが中国風の世界をモチーフにしているのに対し、こちらはまさに日本ファンタジーと呼ぶにふさわしい作品。平易な語り口ながら文学性も高いと思います。

私はどちらかというと話が派手に転がる物語が好きなので、他の2作のほうが正直楽しめたというところはあります。ただ、雰囲気がとてもきれいなので、好きな人はすごく好きそうな作品だなとは思いました。女性のほうがあうような気もします。

評価:★★☆☆☆

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