2010年6月5日土曜日

『あかんべえ〈下〉』(宮部 みゆき) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

クライマックスの泣かせる筆力は流石の一言です。それにしても、色々な伏線を上手いことまとめてしまえるものですね。



お化けたちとのお別れは、覚悟はしていたもののやはりホロッときました。玄之介の過去話は、なかなか痛快というか格好良かったです。肝心のあかんべえのお梅とのエピソードがもう少し欲しかったかなという気はします。

白子屋と浅田屋のエピソードの方はかなりの迫力で盛り上がったのですが、その分ラストへの流れが若干割を食った印象もあります。

別の話として何冊かにわけてもらえれば良かったのでしょうが、単行本一冊に収めるためには仕方なかったのでしょう。筆者の描写力がありすぎるがために、字数に制限があると最後の方で帳尻になってしまうのかもしれません。

ただ、全体としてはとても楽しめて、文句なしの良書でした。お化けたちのキャラクタが魅力的過ぎたので、これで終わってしまうのは残念ですが、宮部さんはキャラクターにあまり未練を持たないみたいですからね。ステップファザ-・ステップの続編とか読みたいんですけど・・・。

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