2010年6月23日水曜日

『天才たちの値段 - 美術探偵・神永美有』(門井慶喜) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

舌で本物か贋物かを見わけるという鑑定家「神永美有」(男です)。こりゃまた嫌味な天才肌がきたなと冒頭から辟易しかけたのですが、神永さん実は意外と常識人でいい人でした(笑)。



薀蓄を語る鑑定家というのは、ほんとに名探偵向きですよね。鉄板な設定のひとつです。でも、本作の場合どちらかというとワトソン役の「佐々木昭友」のほうが主人公っぽいかもしれません。

大学で美術を教える佐々木さん。あからさまな引き立て役で、実際勝手な思い込みをいつもひっくり返されているのですが、だからといって三枚目というわけではありません。ちょっと渋めのオジサン的印象。お調子に乗る様もどこか品が良く、なるほどこれは神永も助けたくなるんだろうなというものです。

神永を逆恨みをする元国立美術館学芸員の「清水純太郎」とか、芸術肌(ただし才能は無い)で騒動ばかり持ち込むイヴォンヌこと「高野さくら」とか、脇キャラがいい味出してるのも話のアクセントとなってよい感じです。

最終話での、佐々木さんから神永への入れ込みっぷりはちょっと唐突に感じました。ワトソン役が天才に傾倒するのは分かる話ではあるのですが、神永は男のはずだよなと何回か読み返してしまいました。男の友情はもっとさばさばしてると思いますけどね。それとも愛情への伏線(笑)?続きも出てるみたいなので、文庫化したら確認してみましょう。

評価:★★☆☆☆

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