2010年6月29日火曜日

『つばき、時跳び』(梶尾真治) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

椿の咲き乱れる「百椿庵(ひゃくちんあん)」に一人暮らすこととなった売れない作家「井納惇(いのうじゅん)」。女性にしか見えないと噂されていた幽霊がなぜか惇にもみえてしまう。その正体は、百数十年前の「百椿庵」に住む20歳前後の女性「つばき」だった。一つ屋根の下での美少女との生活という夢のようなシチュエーションの行方は?



以前レビューを書いた七花、時跳び!のオマージュ元と思われる作品。ちょうど新書版が出たようなので読んでみました。

今年8月に舞台化するそうですが、なるほどと思わされます。とてもシンプルで分かりやすいストーリーです。タイムトリップものというと小難しい理論やパラドックスなどが主題になりがちですが、そういうのが全くありません。純粋な時を超えたラブストーリーです。

「つばき」が現代世界に戸惑うようすが、お約束ながらとても魅力的です。しかし、アイスクリームはともかく初めて飲むビールっておいしいものなんですかね?

調子よく酒なんか飲ませて、シチュエーション的には結構エロイ感じなのですが、二人とも真面目なので間違いが起こる気配もありません(笑)。でも、下着のつけ方が分からなくて手伝ってもらったりと、「つばき」の無防備っぷりはなんともいえないところです。

話しの構成がほんとにシンプルで、どちらかというと雰囲気で読ませる作品です。ストーリー重視の私としては若干物足りなさを感じなくもないのですが、熟練の筆者らしい完成度の高さは流石というしかありません。

評価:★★☆☆☆

0 件のコメント:

コメントを投稿