「本能寺の変」三部作のラストを飾る作品。前二作の描写からは左馬助がとてもミステリアスな存在にみえていましたが、今のところそれほどでもありません。歴史オンチの私には多少きついところもありますが、せめて「信長の忍び」を読んでいたのはよかったです(笑)
左馬助は明智光秀の娘婿にして腹心、後継者としても指名されていたという設定になっています。Wikipediaによると実在性は微妙なようですが、それだけに主役に据えやすいということはあったかと思います。
あたかも史実に基づくかのようにさり気無く大法螺が語られているので(褒めてます)、嘘を嘘と見抜けない人はご注意いただいたほうが良いかと思います。その点、歴史に詳しい方のほうが安心して楽しめるでしょう。
コミック「信長の忍び」の登場人物が結構出てくるので、前もって目を通しておけば、いい予習になるかと思います。とりわけ細川藤孝のイメージギャップは読んでいて楽しいです。
タイトルの「恋」については確かにそういう話も出てきますが、上巻時点ではまだぴんと来るほどのものでもありません。前作「秀吉の枷」では暗躍するミステリアスな男の印象でしたが、これからそのような体験をすることになるのでしょうか。
ほんとに全ての謎がこれから明らかになるのか、ちょっと微妙な気もしていますが、単純に光秀サイドを語る読み物として面白いので、きっと問題ないでしょう。
下巻に続きます。
関連レビュー:
信長の棺〈上〉(加藤 廣)
信長の棺〈下〉(加藤 廣)
秀吉の枷〈上〉(加藤 廣)
秀吉の枷〈中〉(加藤 廣)
秀吉の枷〈下〉(加藤 廣)
明智左馬助の恋〈上〉(加藤廣)(本書)
明智左馬助の恋〈下〉(加藤廣)
2010年11月12日金曜日
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