武士道シリーズとそっくりな作品。出版の時系列的にはあちらが似てるというべきですが。かたや青春小説、こなた警察小説なのに不思議な感じです。「新たな警察小説の誕生」といううたい文句はわかる気がします。
「ジウ」というのは犯罪者の少年の名前です。まだ詳しいところは明かされませんが、犯罪者としての演出は「ストロベリーナイト」そっくりです。全3巻となるため今回彼は捕まりませんが、本書だけでも一応それなりの解決を見せます。
彼に関わる事件を追いかける形で、「門倉美咲(かどくらみさき)」と「伊崎基子(いざきもとこ)」の二人の視点から、交互に事件が展開していきます。二人はもともと同じ係りのメンバーでしたが、所属が分かれてもそれぞれの立場から「ジウ」にいやおう無くかかわっていくことになります。
美咲は説得を得意とする女性らしい女性。一方の基子は武闘派で、軟弱な美咲を毛嫌いしています。このあたりの人間関係が武士道シリーズそっくりです。筆者の得意とするパターンなのでしょうけれど、既視感が強くて若干のめりこみにくい印象はあります。
彼女達それぞれと深くかかわる男性警官が登場しますが、死亡フラグが立ちまくりです(笑)。全滅だと目も当てられないなと、どきどきしながら読んでいました。どうなったかは実際に読んでみてのお楽しみで。
話はとても面白く一気に読めたのですが、どうも「武士道シリーズ」+「ストロベリーナイト」という印象がぬぐいがたく残ってしまいました。こちらのほうが出版は早いわけですから、このシリーズこそ筆者のエッセンスの源ということなのでしょう。読む順番間違えましたねぇ・・・
評価:★★☆☆☆
2010年10月1日金曜日
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