2010年10月24日日曜日

兎の角 1巻(睦月のぞみ) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

美人コンビによるゴーストスイーパーもののようですが、本作はプロローグ的な位置づけになるようです。シリアスとコミカルの切り替えがうまい、というよりシリアス自体がコミカルという不思議な印象の作品です。



学園内で起きた幽霊による失踪騒ぎ。理事長の娘「天沢イズミ」と雇われ転入生の「真白アヤ」が事件解決に乗り出します。色々と大きいイズミと色々と小さいアヤの凸凹コンビ。大柄で基本いじられ役のイズミのようなヒロインは、私的に結構ストライクです。

もしかして百合ものかと警戒しましたが、すっかり騙されました。言いたいことは言う天衣無縫のアヤに対し、クールな優等生のはずのイズミはペースを狂わされっぱなし。地が出せる相手ということですね。良いコンビだと思います。

失踪した生徒たちの共通点が事件のポイントです。事件背景は結構シリアスでえげつないのですが、肝心の幽霊がお茶目な性格をしているため、どこまでいっても緊迫感と和やかさが入り混じる不思議な印象を醸し出しています。この雰囲気、結構私は好きです。

この事件解決の後、イズミはアヤとともに暮らし、ゴーストスイーパーの手伝いをすることになるようです。お嬢様育ちのため現状何の役にも立たないイズミが、どのような成長を見せてくれるのか楽しみです。

本格的なコンビ活動は次巻以降のようなので、現状ではシリーズとしての評価はまだ難しいですね。普通、こういう出会いのエピソードは2番手に持ってくるのがお約束だと思いますが、そうするとあのトリックも使えなくなってしまうので難しいところだったのかもしれません。

それにしても、あのネタバレを避けるために、なんとも紹介しづらい作品になっています(^^;

評価:★★☆☆☆

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