2010年5月13日木曜日

「だまされ上手が生き残る 入門! 進化心理学」(石川幹人) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

精神論っぽい話かと思いつつ手に取ったら、比較的真面目な科学の本でした。科学といっても、充分噛み砕かれていて読みやすいです。進化心理学という分野のお話らしいのですが、進化の過程で至った今の我々が、現代社会に生きることの根源的な問題点をあげた上で、それに適応するための心構えが述べられています。



仲良くすることが進化論的に優位な場合があること、嘘をつくことで円滑に回るもの、男女の考え方の違いについての進化論的見地からの説明、狩猟時代の特質を引きずっているがために現代社会にフィットできない人類の特性、など、なかなか興味深い話題が多かったです。

究極的な幸福とはなにかとい観点から、クオリアの話も持ち出されています。クオリアとは
快・不快や痛みや赤さなどの「自覚的な感じ」(P59)
のこと。といってもわかりにくかもしれませんけれど、興味のある向きには紫色のクオリアなどお勧めです。ライトノベルですけれど、クオリアというものを物凄く端的な形でネタにしています。

本題といえるのが最後の2章だけに集約されるので、本の構成としては若干冗長な感じもしましたが、あとがきによると前半の進化心理学の部分をしっかり抑えていないと理解できないということだそうで、言われてみればなるほどという感じです。学問的色合いが強めですが、現在の不安定な社会を自覚的に生きていくためにはぜひ読んでおきたい一冊です。

評価:★★★☆☆

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