2011年2月28日月曜日

魔女遊戯(イルサ・シグルザルドッティル) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

アイスランドの2人に1人が読んでいる人気シリーズだそうです。もっともそれだけだと15万人にしかなりませんが、既に世界33カ国で刊行されて、評判を集めているのだとか。中盤くらいまでは書き込みが細か過ぎて読むのに苦労しましたが、事件が動き出してから一気呵成でした。



2児の母にしてバツイチの女弁護士「トーラ・グドムンズドッティル」が、被害者の身内から依頼を受けてやってきたドイツ人の元刑事「マシュー・ライヒ」とともに、オカルティックな事件の謎に挑みます。

目玉をくりぬかれて死んでいたリッチなドイツ人留学生「ハラルド・グントリープ」。魔女狩りの歴史を調べ、強い関心と傾倒を示し、実践していた形跡さえも見えるなかで、彼の仲間達が隠し続ける秘密とは。

ちょっぴりグロとかセックスとかありますけれど、基調は歴史ミステリということになるでしょうか。専門方面の記述にかなり力が入っていて、私にはちょっとしんどいくらいでしたが、興味のある方には結構はまりそうな気がします。

16歳の息子が問題を起こしたり、分かれた夫がだらしなかったり、相棒マシューと微妙な雰囲気だったり。パーツとしてはコージー的な要素も入っていて、エンターテインメントとしてもなかなか楽しませてくれます。

一番印象的なキャラは、オフィスを借りるときに押し付けられた、大家の娘の女秘書「ベッラ」。人物紹介にものってこない脇キャラなのですが、その駄目秘書っぷりは凄まじく、どこかでデレるのかと思ったら、最後までずっと酷いままでした(^^;

なんといってもアイスランドという舞台が新鮮なシリーズです。日本の1/3の国土にわずか30万の人口。最近は経済危機などでも話題ですが、第3次産業の発達した、小さく狭い先進国の模様は大変興味深いです。

ミステリとしては、まあこんなものかなというところですが、シリーズものとしての今後の展開は気になるところです。ギルフィ君は大変だろうけど頑張ってください(笑)

評価:★★★☆☆

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