2011年1月18日火曜日

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(フィリップ・コトラー 他) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

「ソーシャル・メディア」と「コトラー」につられて買ってしまいましたが、この本は名義貸しですね。実質インドネシア人マーケター二人の手からなる著作です。新興国視点の事例紹介はそれなりに面白かったですが、論旨自体の新鮮味はあまり感じられませんでした。



本書のもっとも基本的な主張は、マーケティングの軸足が企業と顧客の関係(2.0)から顧客同士のソーシャルな関係(3.0)へ移行するということ。ちなみにマーケティング1.0は製品中心の考え方だそうです。

いまどき2.0とか3.0とか陳腐感がなくもないですが、そのコンセプト自体については特に異論があるわけではありません。ただ、マーケティング3.0における具体的な指針については、あまり面白くなくて読み進めるのがしんどかったです。

協働的、文化的、精神的なマーケティング手法が大事で、価値主導のなんとかかんとか。うーん、この辺り確かにその通りだとは思うのですけれど、どこかで聞いたような話を寄せ集めただけのような印象がとても強いです。頷けども感銘は受けません。

この手の経営関連書について、私の場合難しいロジックは良く分からない分、とりわけ事例紹介は楽しみにしています。ソーシャルを題材にということでもっとITよりな話かと期待していたのですが、早合点した私も悪かったかもしれません。

新興市場におけるソーシャル・マーケティングの事例や考え方などは本書のユニークな点だと思います。ただ、これは全く執筆者に非のないところですが、ちょっと前に読んだ大前研一さんの本に同じようなことが書かれていたため、私としてはあまり楽しめませんでした。

本書が私にあわなかったのは、単に私が本書のターゲットから外れていたためだと思います。適切な対象に対してはとても有意義に感じられるのではないかという気もします。ただ、コトラーを前面に押し出した推薦文や宣伝手法については、ちょっとだまされた感が強くて印象悪いですね。

評価:★☆☆☆☆

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