2011年4月28日木曜日

テルマエ・ロマエ III(ヤマザキマリ) このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

風呂ネタとしてはちょっとマンネリ気味かなと思っていたのですが、史実の背景を微妙に絡めた感じで、なかなか面白い展開になってきました。



基本的にハドリアヌスお抱えのポジションかと思っていたのですが、そういう訳でもないのですね。本巻ではハドリアヌスの直接の出番は一度もなし。彼が死んでからもちゃんと話は続いていきそうです。

次期皇帝になるはずのアントニヌス・ピウスらしい人も、最後でちらっと出てきていました。順番からいけば次は彼のために働くことになりそうなものですが、ちょっと地味目なポジションの人なので、一つ飛ばしということでしょうか。

そういう意味では、歴代皇帝の中でも人気のあるマルクス・アウレリウスが次のパトロンとなるのは、漫画的に納得の展開と言えます。若き日のマルクス、いかにも誠実そうな人柄がらしい感じですね。

史実をもとにしたエピソードを交えながらも、あくまで主眼は風呂になっているのが、ぶれてない感じで素敵です。仕事馬鹿なルシウスの魅力は、政治劇の舞台では生きないでしょうから。

ラスト2話では、いつも教わることばかりだったルシウスが初めて教える側にまわります。言葉がなくても何となく通じてしまうというのは、共通した土台のある技術者通しだと結構ありそうなことです。

映画化も決定したようで、もう乗りに乗っているという印象です。これから動いていきそうな歴史イベントをどのように風呂の話題につなげていくのか。馬鹿馬鹿しいほどの強引さに今後も期待です。

評価:★★★★☆

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